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異常検知【ビジネス成長のためのAI用語】

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異常検知【ビジネス成長のためのAI用語】

公開2024.4.25 更新2024.7.30
株式会社Laboro.AI リードマーケター 熊谷勇一

用語解説

AIによる異常検知 (anomaly detection。異常検出とも)とは、大量のデータの中から、平均値から大きく外れていたり、急激な変化が起きるきっかけとなったり、通常とは振る舞いが異なったりする「異常値」となるデータを検出する技術です。どの程度異常であれば異常値となるかは、正常値とから外れる度合いを設定することによって定義できます。

異常検知は従来、人間の五感に頼るところが大きく、しかもそれぞれの業界や業務に特有の専門的な知識や経験が必要であったり、異常がないかどうか確かめなければならない対象が多くなればなるほどより多くの人手が必要になったりするという課題がありました。そうした課題をAIによる異常検知で解決できる可能性があるのです。

応用&詳細解説

AIによる異常検知の方針には、大きく分けて三つあります。一つ目は「変化点検知」で、データの構造や性質などが急激に変化する部分を検出することです。時系列データにおいて急激な変化が起きるタイミングを検出することとも言えます。例えば、ウェブサイトへのアクセスが急激に増加し、その傾向が継続する始まりとなったタイミングを検出し、社会情勢の影響などを検証するきっかけにできます。

二つ目は「異常部位検知」で、モニタリングしている時系列データのうち、一定時間続いた異常を検出することです。例えば、心拍が緊張や恐怖、病気などで大きく変化したことを検知することなどに活用できます。

三つ目は「外れ値検知」で、全体的なデータから大きく外れているデータを検出することです。 データが多くなればなるほど、外れ値を目視で確認するのに時間がかかります。例えば、手入力によって誤った値で入力されたデータを検出することが挙げられます。時系列データも、それ以外のデータも扱えるということです。

それぞれの違いが分かるように整理すると、変化点検知は発生してその後正常に戻らなかった異常が発生したタイミングを検出すること、異常部位検知は一定時間発生してその後正常に戻った異常を検知すること、外れ値検知は時系列データであれば一瞬の異常や、時系列データでなくてもデータの集合の平均から大きく外れた値を検知することです。

活用事例

JR博多駅ビルの複合商業施設「JR博多シティ」は、AIで防犯カメラの映像を解析し、暴力行為や転倒などを検知する取り組みを始めています。400種類を超す防犯カメラの映像を、建物内にある防災センターで24時間監視。AIが映像データを解析して異常を検知するとセンター内のモニターに警告を表示し、監視員が映像を確認した上で、必要に応じて近くの警備員に連絡し、現場に急行させます。AIが検知するのは暴力行為やけんか、転倒といった非常事態から、同じ場所にずっととどまり続けるなどの不審行動、車いすや白杖の人まで多岐にわたります。従来は防災センターの監視員が常時、複数のモニターに入れ替わり表示される映像を目視で確認していましたが、そうした人員を別の業務に回すなど警備業務を効率化できたと言います。

似たようなシステムは、RIZAPグループの低料金ジムで、会員数が110万人超で国内首位を誇る「chocoZAP(チョコザップ)」でも導入されています。AIカメラが店舗を常時監視し、わずかな人数で全店を監視できるとしています。利用者が動かないなどの異常を検知するとアラートが出て、遠隔監視センターのスタッフが確認し、急病なら救急車を直接呼び、マシンの故障対応なら近くのRIZAPの店舗からスタッフを向かわせるなど、状況に合わせた対応を取っていると言います。

鉄鋼商社の岡谷鋼機は、鋼材の切断機で使う薄い帯状の刃物に生じたヒビを、AIを活用して検知できるシステムを開発しました。切断機に集音マイクを設置し、ヒビが切断機の部品に当たる際の微小な音を検知して警告を出す仕組みです。顧客の鋼材加工工場の切断現場で4カ月間集めた音のデータをAIに学習させ、音を聞き分けることで破断の予兆を高い精度でつかめるようにしています。ヒビが入った刃物を早い段階で研磨し直すことで使用期間を延ばし、鋼材のロスや刃物の交換時間の削減につなげられるとしています。

また、技術としては異常検知に重なる部分があり、ここ2年ほどのインターネット検索のトレンドとしては異常検知を上回っているのが、不正検知です。AIを活用した不正検知サービスの対象は大きく二つに分かれます。一つはクレジットカード決済や銀行振込などインターネットを介した金融取引における異常を検知するもので、人間の監視では見逃され得る損失を防ぐ効果が期待されます。もう一つは、例えばメールを監視し、各種ハラスメントや贈収賄、会計不正の予兆を検知するもので、金銭的な損失だけでなく、従業員のエンゲージメントの低下を防いだり、評判リスクを低減させられたりすることが期待されます。

ビジネス応用

AIによる異常検知は、製造業での品質管理や、ウェブサイトのアクセス状況、業界を問わず施設における防犯など、幅広い用途に用いられています。従来は人力で確認していた作業を部分的にでもAIが行うことによって人的コストを減らせたり、ヒューマンエラーを減らせたりすることが期待できます。さらに、日々蓄積されていくデータも検出に生かされるため、使えば使うほど精度が向上するという強みもあります。

当社事例では、ディープラーニングによる画像認識アルゴリズムを用い、画像内の劣化箇所の検出と劣化内容の識別を行う仕組みを開発したり、物体検出技術と異常検知技術を組み合わせることによる線路設備の不良判定を実現したりする事例があります。さらには、人の目でのチェックが必要な検査や点検の件数を削減でき作業の省力化が測れることや、作業者による品質のバラツキを防ぐといった効果が期待されるソリューションも開発しています。

当社事例
Laboro.AI「線路設備の不良判定の自動化
Laboro.AI「インフラ設備の劣化箇所検出

当社ソリューション
Laboro.AI「不良・異常検出ソリューション

参考
日立ソリューションズ・クリエイト「AIで異常検知! 取り入れるメリットや成功事例を解説
スキルアップAI Journal「異常検知とは|意味や事例、メリット、代表的な手法、導入課題を解説
日本経済新聞「博多駅ビル、AIで暴力や転倒検知 防犯カメラの映像解析
日本経済新聞「「コンビニジム」で突如国内首位 RIZAPは黒字化視野
日本経済新聞「岡谷鋼機、AIで産業用刃物の劣化診断 切断音を聞き分け

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